物流業界では、ドライバー不足や働き方改革などさまざまな社会課題があります。BtoB領域における医薬品物量NO1である大塚倉庫では、以前よりデータやITを活用し、従来の「経験と勘」に頼らない高効率な倉庫・配送業務オペレーションの実現を図ってきましたが、さらに未来の物流を創る場として、Robotics Research Centre(RRC)を設立しました。
RRCは、さまざまな分野で強みを持つ大塚倉庫や機器メーカーが新技術の研究、開発、実験を議論し実践することによって課題を解決し、部分最適になっている物流を、物の積降しから入出庫、保管までの庫内業務を完全自動化させ物流全体の最適を実現する物流ロボティクス研究センターになります。
物流現場毎に取り扱う荷物の量や、大きさなどの制約条件がありますが、元は倉庫であった特性を活かし、実際にトラックやストッカー、搬送機を配備し、未来につながる倉庫現場を再現しています。これにより、必要なロボットや機器、更にはスタートアップ技術なども組み合わせることが可能となり、導入を検討している企業の要望通りに再現でき、導入前に目で見て肌で感じることができる施設となっています。
環境と設備が整っているRRCだからこそ、想像を超える仕組みを生み出すことができます。
開発やテストスペースは、シェアリングスペースとし、オープンであることにこだわりました。
さまざまな強みを持ったロボットや機器メーカーが自社の最新情報や技術を共有することで、企業間の垣根を超えたソリューションが生まれ、物流ロボティクスの全体最適が実現できる環境となっています。
物流施設は都心などから遠いことが多く、ロボット導入現場を視察するためには時間と費用が多くかかります。そのため、RRCは東京都中央区に立地しているCROSS DOCK HARUMIでの開設にこだわり、課題解決まで何度でも自社導入に最適な形でテスト・確認が可能となっています。
また常に最新の物流情報が集まっているRRCは、商談から実機の稼動確認、情報収集、情報交換のスペースとしての利用にも適しています。
ASN(事前出荷情報)運用とは、納品前に納品予定数などの出荷情報を事前に納品先(卸や小売の物流センターなど)へデータ連携する取り組みです。
これにより、納品先では商品到着前にデータの照合で事前に検品することができ、現場においては賞味期限日などの手入力の必要がなくなり、大きな作業負担軽減につながります。
大塚倉庫では、全国で70センターに対し展開済で、この取り組みを業界標準にするべく進めています。
大塚倉庫では更なる効率化を目指し、納品先である卸会社に対し、ASNを事前にデータ連携するだけでなく、バース予約(テレサリザーブ)および納品伝票電子化サービス(テレサデリバリー)と併用することで、ドライバーに「作業をさせない、待たせない、紙を持たせない」新しい納品スタイルの実現を目指しています。
大塚倉庫は、全国に多くの倉庫を構えています。広さも高さもスペックもさまざま、取り扱うアイテムもさまざまです。
その中で、ベストな選択をしAGV(無人搬送機)やAGF(無人フォークリフト)、シャトル式自動倉庫などを現場に導入しています。
物流業界における労働力不足が深刻化する中、人の労働(広い倉庫を歩き回ってピッキングをする、重い荷物を持ち運ぶなど)に頼らない物流現場づくりに当社は挑戦しています。
個人の経験や勘に頼らない現場を構築することも、ひとつのBCP対策と捉えています。